新・教育ジャーナル

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前日にテストを作る教師には気をつけろ

     みなさんは、教師がどのようにテスト作りをしているかご存知ですか?人それぞれのやり方があるかと思いますが、中には、テスト当日の朝に必死に作っている教師もいます。しかし、ギリギリになって慌ててテストを作っている教師は失格教師かもしれません。それは、決してタイムマネージメントに問題があるといった、表面的な問題ではなく、テストの質、そして授業の質に影響を及ぼすためです。

    Halenの研究によると、質の高いテストを作成する教師は、授業の質も高くなることが明らかにされています。テストで生徒の学力を測ることの長所はその公正性や再現性が保証されやすいことですが、一方でその妥当性(テストで測れる力と実際に意図している力との関連性)についてはその脆弱性が指摘されています。しかし、テストを計画的につくる教師は、それぞれの教科、内容を通して生徒が達成すべき目標に基づいて、それに深く関連した問題を作成するため、その妥当性が高まり質のよいテストとなります。また、そこで深まった学習目標に対する理解は、通常の授業にも適用され、ゴールが明確になり、それに向かうための学習活動が用意された、効果的かつ効率的な学習者を可能にする授業がなされることになります。このように、学習目標についての理解が深い教師は、学習者の学習状況によって指導を柔軟に変化することができるということも研究で示されており、より学習者のニーズを満たす質の高い指導が可能になります。

    以上のようなことを踏まえると、テストをギリギリに作っている教師は、そのテストの妥当性等を考慮せず、また、学習目標に対する理解も不十分である可能性が高く、テストの質や授業の質に疑問が生じる失格教師となり得るのです。

 

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