新・教育ジャーナル

教師や学校、最新の教育動向に関する記事です。

教職員採用情報から見える学校の特徴

 学校の特徴を知るために、HPを見たり、学校参観に行ったり、口コミで情報を集めたりすると思います。これらは、どのような学校なのかを知るための情報を得るうえでとても大事なことです。学校のHPを閲覧したとき、みなさんはどこをチェックしますか。通常は、教育方針やカリキュラム、進路実績等を中心に観るのではないかと思います。

 前の記事で、部活動の実績を前面に押し出している学校には注意が必要であることを書きましたが、今日はもう一点、注目してほしい点を書きます。それは、教職員採用情報です。受験生やその保護者にとっては、教職員採用情報は関係がないため、そこをチェックする人はなかなかいないかと思いますが、学校がどのような教師を求め、どのように採用しているのかを知ることは学校の質を考える上で貴重な資料となりえます。

 まず、教職員情報でチェックしてほしいのが、その募集要件です。一般的に、教員免許取得者(または取得見込み者)が必須要件で、その他は学校によって異なります。ある学校は、修士修了者に限定している場合もありますし、年齢制限を設けたり、キリスト教信者に限定したりしている学校もあります。一概に、どんな要件が良くて、どんな要件が悪いとは言えませんが、ここを見たときに、疑問を抱くような要件を課している学校は注意が必要かもしれません。


 次に、その待遇をチェックしてください。この際、給与待遇について記載がない学校には要注意です。教師といえども、社会的には一労働者であり、会社(学校)と労働契約を結ぶ以上はその待遇は極めて重要な要素となります。にもかかわらず、それを記していないのは、記すことができないほどの低い給与待遇なのか、もしくは、そのことの重要性を認識していない管理職や経営者によって運営されている学校であることを示唆しています。このように、教師の待遇をないがしろにする学校に、教育の質を期待するのは無理ですよね。教師を大切にしない学校が、生徒を大事にするはずがありません。

 

そして、採用募集時期に注目してみてください。特に、採用募集から採用時期が近い学校には注意が必要です。通常であれば、次年度の欠員状況を半年から1年前に、管理職が把握し、それに基づいて計画的に採用活動をしていくはずです。にもかかわらず、採用時期が直近に迫った採用募集をしている学校は、人事管理が適切にできていない学校か、突然退職者がでるような学校である可能性が高いです。もちろん、産休や病気、ケガ等が原因で、休職を余儀なくされた教員の補充も考えられますが、それらの理由ではなく、突如退職者がでるような学校には、教職員が働きにくいような要因が隠れている可能性があり、それは教育の質に関係してきます。また、急募で募った教員は、とりあえずの数合わせのために必要であり、その質をしっかりと採用過程において審議しているかは疑問が残ります。

以上のようなことから、教職員採用情報からもどのような学校なのかを推測できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。