新・教育ジャーナル

教師や学校、最新の教育動向に関する記事です。

授業より部活を優先する教師は退場せよ

    前回の記事で書いたように、部活動は教育課程外に位置付けられています。つまり、教師の本業である授業や学級経営等とは、教師がすべき優先度が全く異なるのです。にもかかわらず、授業より部活動を優先する教師がいるとしたら、間違いなく失格教師です。当然、授業時間そのものを削って部活動を行うような教師はいませんが、授業準備の時間をないがしろにし、部活指導に邁進する教師はたくさんいます。彼らは、「生徒のために」という使命感と情熱をもってやっていますが、残念ながら教師の本業を見誤った行動と言えるでしょう。例えれば、飲み会が社員の親睦に役立ち、まわりまわって会社の利益になる場合であっても、本来やるべき職務をないがしろにしてまで、飲み会の準備に奔走している人がいたらおかしいですよね。授業より部活を優先する教師とは、そのような人なのです。
    このような状態を生み出している要因の一つに、制度的な欠陥があります。近年は、部活動に疲弊する教員が、労働問題として注目されたことから、政策面での変化がみられます。平成29年12月に、文科省より発表された「学校における働き方改革に関する緊急対策」では、学校の業務を、教師が担う業務、必ずしも教師が担わなくてもいい業務、学校以外が担う業務に分類し、それぞれについて、今後取りうる措置についてまとめています。とりわけ、教員に対するアンケート調査等で明らかになっている、教員の多忙化の主要因が、部活動に関する業務であり、これは、先の必ずしも教師が担う必要のない業務として分類され、部活指導員等の活用によって教師の負担低減を目指しています。これを、明確にしたことは大きな前進と捉える声がある一方で、この措置によってつけられた予算はわずか5億円であり、4,500人分の部活指導員の採用が可能としているが、全国に、1万5千を超える中高等学校があり、それぞれの学校が複数の部活動を抱えていること考えると、到底実効性のある措置とはみなせず、文科省における改革に対する本気度には大きな疑問符がつきますね(むしろ、本当は教師に部活動を押し付けたいという思惑を感じます。)

 

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