新・教育ジャーナル

教師や学校、最新の教育動向に関する記事です。

同じ部活動の顧問を続けている教師には気を付けろ

 中学校や高等学校では、部活動が盛んに行われていますよね。学校の前を通ると、大きな垂れ幕が掲示され、それぞれの学校が部活動の実績をアピールしています。そして、その部活動に熱心に打ち込み、それを生きがいにしている教師もたくさんいますね。しかし、部活動に熱心な教師には注意が必要なのです。
 みなさんは、部活動の学校教育における位置づけをご存知ですか。学校で必ず行われることと言えば、各教科の授業(国語、数学、体育等)や総合的な学習、特別活動(学級活動、生徒会活動等)が法的に規定されています。しかし、部活動は違います。部活動は、教育課程外の活動と位置付けられており、極端に言えば、やってもやらなくてもいいのです。当然、生徒が部活に加入する義務もなければ、教師が部活動顧問を強制的にやらされる根拠は何も存在しないのです。以上のことを踏まえると、部活の指導力は教師としての指導力の評価には直接的には何ら反映されるものではありません。
 しかし、実際には部活動で顕著な成績を上げている教師が指導力のある教師とみなされたり、人事上の優遇を受けたりすることはよくある話です。もちろん、彼らが、同時に授業力を持ち合わせており、教師として正当に評価されるべきところで評価されているのならば、いいのですが、適当な授業を行い、部活動の力関係を利用して生徒指導をしているような、部活動のみに特化した部活動教員が優遇されるのであれば、日本の学校教育の質の低下は避けられないでしょう。
 その点において、学校を異動しても同じ部活動の顧問をやり続けている教師には気を付けてください。公立の教師は定期的に、人事異動が行われます。本来であれば、教科や生徒指導力、学級運営力、事務処理能力等の教師としてもスキルを基に、人事異動が行われるべきですが、実際には、部活動を主眼に行われている人事異動が多く見られます(例えば、野球強豪校の顧問が、次も野球の強豪校に異動し顧問に就く等)。一見、何ら問題ないように見えるかもしれませんが、先に述べたように、部活動は教育課程外の活動であり、人事異動における優先順位が上位に来ることは許されません。同じ部活動顧問を続けている教師は、このような不当な人事上の優遇を受けている可能性があり、授業力に疑問符がつく失格教師かもしれません。

 なお、部活問題は、教師の専門性を阻害する大きな要因となっているため、今後もその問題点を発信していきますね。


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