新・教育ジャーナル

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ギリギリで授業を終了する教師には気をつけろ

 授業時間終了を知らせるチャイムがなってから、慌てて授業を閉じようとする教師にあったことはありませんか?もちろん、授業はどんなに計画しても思い通りには進まないので、ギリギリに終了してしまうことはよくあるかもしれません。しかし、教師がしなければならないことの一つに、子どもが授業内容を目標に照らしてしっかりと理解できているかを確認することがあります。例えば、小学校の算数で12×3のような2桁の掛け算が計算できることを目標とした授業の場合、それができているかどうかの確認として、授業の後半に類似の問題(14×7等)を子どもに解かせて、その正解度を確認しなければなりません。そして、その結果によって、教師は次に進んでいいのか、もしくはもう一度その内容をやり直す必要があるのか、個別の子どもに対する対応が必要なのか等を検討し、次の指導に反映させなければいけないのです。
 このような、評価を形成的評価と呼びます。これは、1970年代にイギリスでカリキュラム改善のために使われるようになった言葉で、1990年代後半からは、WiliamやBlackの研究の影響を受け、授業改善や学習改善に役立つものとして世界中で注目されています。成績付やクラス分け、入学選抜のために機能する評価を総括的評価というのに対して、子どもの学習理解度を把握するためのエビデンスを収集・分析し、その結果を指導、学習改善のために使う評価を形成的評価といいます。
 以上のことを踏まえて、子どもの理解度を確認するということの重要さがわかると思いますが、ギリギリで授業を終了しようとする教師は、この確認、振り返りの時間を十分に確保できていないことが多いです。結果として、そのような教師は、子どもが理解しているかどうか、目標に到達しているかどうかに関わらず、授業を次に進めてしまう、失格教師となるのです。

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